季節によって様々な顔を見せる高天神城跡。
お手軽コースと城好きポイントの二つを紹介。
風景を楽しみながら城跡を散策しよう。
季節によって様々な顔を見せる高天神城跡。
お手軽コースと城好きポイントの二つを紹介。
風景を楽しみながら城跡を散策しよう。
ハイキングコースとして整備された高天神城跡。階段も多いので歩きやすい靴や服装がベスト。
搦手道脇にある三ヶ月井戸。現在は数匹の金魚が元気に泳ぐ。
東峰の御前曲輪跡には少しレトロな「顔はめパネル」もあり。背後の基礎は昭和に作られた摸擬天守跡。
近世の平城・平山城と違い「山城」は、一見ただの山や森にしか見えない箇所が多い。しかし、目を凝らし観察すると、かつての城の様子が浮かび上がってくる。
森に埋もれた高天神城。しかし、尾根を切った堀切などの防御施設は至る所にその姿を残している。散策しながら遺構を探すのも城マニアならではの楽しみ??
POINT写真を撮っても規模がわかりづらい。そんな時は人物を入れるとスケール比較になる。
最盛期には、浜松と中東遠を除く遠江をほぼ掌握していた武田氏。武田氏は、接収した城郭を技巧的かつ大規模に改修していく。その影響は高天神城にもみられ、堂の尾曲輪には長大な横堀が構築される。さらに合戦の中で武田氏の築城術を目の当たりした家康は、それを学び自らが接収した城に築城術を取り入れていった。
POINT山城において、100mにも及ぶ長大な横堀は希有。現在は土砂に埋もれているが、当時は深く刻まれていた。
末期になると高天神城周囲は徳川家康が築いた砦によって包囲された。高台からは、遙か遠くに砦の様子を見ることができる。自らが城主になった気分で砦を見ると、その包囲網の堅固さが実感できる。
POINT時間に余裕があれば六砦探訪もオススメ。獅子ヶ鼻砦など公園として整備された砦も。
小笠山から続く丘陵の南端に位置する標高265mの鶴翁山に築城された高天神城。尾根や谷間が入り組む急峻な地形は、まさに難攻不落。特に城外の山塊に伸びる痩せ尾根は「犬戻り猿戻り」と呼ばれる難所。
POINT高天神城から小笠山にかけての一帯は、礫層によって形成された断崖が入り組んでおり、築城に最適な地形となっていた。
自分が城攻めの武将や足軽になったつもりで訪れると、城の守りを理解できる。頭上、背後からの攻撃?にも注意しながら手薄な場所を探し、攻め方を考えよう。
山が不自然に平らになったり、へこんでいる場所は人為的に作られた可能性が高い。そんな場所を見つけたら、城の一部では?と疑ってみよう。
高天神城は一体なぜこの場所にあるのか?と思わせる立地。実は当時、城の南東側には湿地が展開し小河川が入江につながることで小舟での往来が可能だった。現在との地形を比較しながら見下ろすと面白い。
高天神城から車で5分ほどの大東北公民館には高天神城の資料やパンフレットが用意されている。城スタンプもあり。
(月曜・年末年始休館)
アクセス 静岡県掛川市下土方267-1
高天神城を守護する神社、高天神社。かつて東峰にあった神社は西峰に移設、激しい攻防戦がくり返された城跡で神社は静かに佇んでいる。
高天神社が建つ西峰一角の高台には、高天神城西の丸として曲輪が設けられており、本殿の裏には現在も土塁がその姿を残している。