季節によって様々な顔を見せる高天神城跡。
お手軽コースと城好きポイントの二つを紹介。
風景を楽しみながら城跡を散策しよう。

幻の城に思いを馳せる

高天神城へ登城


  • ●各所に石段や山の道が残るため歩きやすい服装や運動靴をおすすめします。
  • ●夕刻や雨天時は転落・道迷いの恐れがあります。

お手軽散歩コース

のんびりと城跡を散策。
初めての方にもおすすめのコース。

ハイキングコースとして整備された高天神城跡。階段も多いので歩きやすい靴や服装がベスト。

  • Start 北口駐車場
  • まずは北側入口となる搦手門側からスタート。駐車場、トイレもあり。
    搦手門
  • 当時の登城ルートと同じ急傾斜の階段。重い武具をつけて急坂を登った苦労が偲ばれる。
    搦手道跡
  • 落城の際、武田側に降伏を拒否した大河内政局が閉じ込められた石窟跡。
    石窟跡
  • 東峰の最高峰、本丸跡と御前曲輪跡。天気が良ければ木々の合間からは富士山も望むことができる。
    御前曲輪跡
  • 西峰には高天神社が建ち、毎年春には祭礼が行われる。本殿を参拝し、駐車場へ下ろう。
    高天神社
  • Goal 北口駐車場
  • 搦手道脇にある三ヶ月井戸。現在は数匹の金魚が元気に泳ぐ。

  • 東峰の御前曲輪跡には少しレトロな「顔はめパネル」もあり。背後の基礎は昭和に作られた摸擬天守跡。

城好き探索ポイント

戦国の山城を知る。
城好きにおすすめポイント。

近世の平城・平山城と違い「山城」は、一見ただの山や森にしか見えない箇所が多い。しかし、目を凝らし観察すると、かつての城の様子が浮かび上がってくる。

堀切・横堀などの防御設備を見る。

森に埋もれた高天神城。しかし、尾根を切った堀切などの防御施設は至る所にその姿を残している。散策しながら遺構を探すのも城マニアならではの楽しみ??

POINT写真を撮っても規模がわかりづらい。そんな時は人物を入れるとスケール比較になる。

武田氏の築城技術を見る。

最盛期には、浜松と中東遠を除く遠江をほぼ掌握していた武田氏。武田氏は、接収した城郭を技巧的かつ大規模に改修していく。その影響は高天神城にもみられ、堂の尾曲輪には長大な横堀が構築される。さらに合戦の中で武田氏の築城術を目の当たりした家康は、それを学び自らが接収した城に築城術を取り入れていった。

POINT山城において、100mにも及ぶ長大な横堀は希有。現在は土砂に埋もれているが、当時は深く刻まれていた。

家康の六砦包囲網を俯瞰する。

末期になると高天神城周囲は徳川家康が築いた砦によって包囲された。高台からは、遙か遠くに砦の様子を見ることができる。自らが城主になった気分で砦を見ると、その包囲網の堅固さが実感できる。

POINT時間に余裕があれば六砦探訪もオススメ。獅子ヶ鼻砦など公園として整備された砦も。

礫層が作り上げた壮絶な地形を体感する。

小笠山から続く丘陵の南端に位置する標高265mの鶴翁山に築城された高天神城。尾根や谷間が入り組む急峻な地形は、まさに難攻不落。特に城外の山塊に伸びる痩せ尾根は「犬戻り猿戻り」と呼ばれる難所。

POINT高天神城から小笠山にかけての一帯は、礫層によって形成された断崖が入り組んでおり、築城に最適な地形となっていた。

「犬戻り猿戻り」より先は登山の装備が必要となるため、むやみな深入りは避けよう。

さらに詳しく知りたい場合は

大東北公民館

高天神城から車で5分ほどの大東北公民館には高天神城の資料やパンフレットが用意されている。城スタンプもあり。
(月曜・年末年始休館)

アクセス 静岡県掛川市下土方267-1

かつての姿を今に伝える高天神社へ

高天神城を守護する神社

高天神城を守護する神社、高天神社。かつて東峰にあった神社は西峰に移設、激しい攻防戦がくり返された城跡で神社は静かに佇んでいる。

高天神城に伝わる「尾白狐」。江戸時代、古井戸から度々出現したとされる伝説の狐。

高天神社と高天神城

高天神社が建つ西峰一角の高台には、高天神城西の丸として曲輪が設けられており、本殿の裏には現在も土塁がその姿を残している。

1年に1回、3月最終日曜日に東峰の社(元宮)に神様が里帰りされる行事として行われる。祭礼は桜の見ごろと重なることもあり、毎年多くの見物人で賑わう。
日程など詳細は掛川市ホームページをご覧ください。